ダンス・ダンス・ダンス

2008年02月14日
ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)
(2004/10)
村上 春樹

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ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)
(2004/10)
村上 春樹

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【評価】
★★★★☆ (4点:人に貸す)



【紹介フレーズ】
(ディック・ノースの突然の死に対して)

ユキ:

 自分がディックノースにひどいことをしたような気がする。

僕(主人公):
 そういう考え方は本当に下らないと僕は思う。

 公開するくらいなら君ははじめからきちんと公平に彼に接しておくべきだったんだ。
 少なくとも公平になろうという努力くらいはするべきだったんだ。

 でも君はそうしなかった。

 だから君には後悔する資格はない。全然ない。
 ある種の物事というのは口に出してはいけないんだ。
 口に出したらそれはそこで終わってしまうんだ。身につかない。

 君はディック・ノースに対して後悔していると言う。
 本当にしているんだろうと思う。

 でももし僕がディック・ノースだったら、僕は君にそんな風に簡単に後悔なんかしてほしくない。
 口に出して「醜いことをした」なんて他人に言ってほしくないと思う。

 それは礼儀の問題であり、節度の問題なんだ。
 君はそれを学ぶべきだ。



記念すべき第1作目は、僕のお気に入り、村上春樹さんの作品です。

この紹介フレーズを読んだとき、僕は思わず本をとじ、顔を上げました。

時として人は、ユキのように自分を非難することがあります。そしてそれを聞かされた僕は、いつも例えようのない違和感を感じていました。確かに主人公の言うとおり、相手は本当に後悔しているのだと思います。しかし、僕にはそれが偽善的な感情に近く思え、受け入れがたかったのです。

そして今回の紹介フレーズです。ここでは後悔することの意味を、主人公がユキに投げかけています。僕のこれまで感じていた違和感は、この紹介フレーズで表現された文章そのものでした。自分が表現できなかったもの、それを見事にことばで表した村上春樹さんには脱帽です。彼の大きさを感じた瞬間でした。
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